「空」という名前の猫が僕の家にいた。
飼い主に似たのか人見知りで、神経質な猫だったけど
一度死にかけてから穏やかになって、僕もそれにつられて
少し穏やかになれたり、共に変化しながら生きてきた。
あんまり甘えてこないけど、なんやかんやそばに来て、居てくれて
目が合えばいじくり回させてもらって、癒やされていた。
そんな空が2018/9/6 朝6時に寿命を迎えました。
朝、目覚めて2、3回なでると息を引き取りました。
挨拶するために、起きてくるのを待っていてくれたんだろうか。
1ヶ月前くらいから体調が悪くなっていて
目が見えなくなっていたけど、家の中を壁にぶつかりながらウロウロ
元気な姿を見せようと頑張っているようだった。
ちょうど僕の住む地域は、大きな台風で
9/4~9/8まで停電、断水していて
そんな非日常ななか寿命が来た。
17年生きたので(人間で言うと84歳, 超高齢猫)
老衰、大往生だと思います。
災害の最中だったせいもあるのか
死んだ瞬間はなんだか分からなくて、ずっとなでていました。
悲しいけど、涙は出なくて「大人になったからかな」と思っていましたが
火葬場で箱に入った空に向かって、焼香して、手を合わせて
外に出たとき、びっくりするほど勝手に涙が出て
焼かれる時間(午後3時)や、帰ってから、夜、今も
結局思っていた以上に泣いていました。
空のことを少しでも話そうとすると色々溢れそうだったので
その日は一日中かなり黙っていたと思う。
17年も一緒にいたので、まだいなくなった事をちゃんと実感できていません。
向かいの部屋にある黒いカバンや、ソファに脱ぎ捨てられた服が
目の端に入ったとき、頭が「あ、空いるじゃん」と錯覚させてきます。
自分の手や足のように、いつも目に入ってきた存在だったので
そんなに簡単に受け止められるものでもないんだろう。
火葬してもらった霊園に動物供養塔というものがあって
そこに焼いてもらった骨が少し納骨?されているそう
家から徒歩23分、ふらっと散歩で行ける距離だから
天気のいい日に花を持って行ってみよう。
たくさん一緒に生きてくれてありがとう。
けどもう少し、人生を共にしてもらおうと思う。